船に乗るだけじゃもったいない 宇野で楽しむ港町時間
瀬戸内国際芸術祭 淀川テクニック「宇野のチヌ」 Photo: Shintaro Miyawaki
瀬戸内国際芸術祭やアートの島々を巡る旅を計画するとき、多くの人が目的地として思い浮かべるのは直島や豊島、犬島でしょう。
しかし、その島々へ向かう船が発着する港町・宇野にも、旅の目的地として訪れたくなる魅力が詰まっています。
港を中心に広がる開放的な海辺の風景、まちなかに点在するアート作品、そして瀬戸内ならではの穏やかな自然。
宇野は、アートと自然が心地よく共存するまちです。
島へ渡る前に少し散策してみるのもよし、宇野を拠点にゆったりと滞在するのもよし。
瀬戸内アート旅の玄関口としてだけではない、港町ならではの魅力に触れてみませんか。
岡山県中心部から、宇野へのアクセス
宇野は岡山中心部よりアクセスしやすい立地にあります。
JR岡山駅から
・JR瀬戸大橋線に乗車、茶屋駅にて乗換後、JR宇野みなと線で宇野駅へ(所要時間約50分)
※宇野みなと線が1時間に1本ほどのため要注意
・バス停「岡山駅前」より両備バスにて「宇野港」へ(所要時間約60分)
岡山空港から
JR岡山駅経由でアクセスが可能
岡山駅へはリムジンバスがおススメです
アートな島々を巡る前に見ておきたい!宇野アート三選
宇野は、瀬戸内国際芸術祭の会場であると同時に、直島や豊島へ向かう旅の拠点でもあります。
芸術祭の会期外であっても、港周辺にはアート作品が点在しており、気軽にアート散策を楽しむことができます。島々へ渡る前に立ち寄りたい、宇野ならではのアートをご紹介します。
JR宇野みなと線アートプロジェクト エステル・ストッカー

宇野駅に降り立った瞬間から、アート旅は始まっています。
黒を基調とした現代的なデザインの駅舎は、港町の風景と調和しながらも独特の存在感を放っています。どこか倉庫を思わせるシンプルな外観は、瀬戸内の穏やかな景色を引き立て、旅人たちをアートの世界へと誘います。
また、宇野駅は直島や豊島などへ向かう多くの人々が利用する場所でもあります。かつて四国連絡船の発着地として栄えた歴史を持ち、今もなお瀬戸内の島々と本州を結ぶ重要な拠点です。
列車の終着駅でありながら、ここからさらに船旅が始まる宇野駅。
その特別な立ち位置こそが、瀬戸内アート旅の玄関口と呼ばれる理由なのでしょう。
宇野のチヌ/宇野コチヌ 淀川テクニック

瀬戸内海で馴染み深いクロダイをモチーフにした作品で、その大きな姿は訪れる人々を圧倒します。しかし、近づいてよく見ると、作品には漂流物や廃材などが活用されていることに気づきます。
海から生まれた不要なものが、新たな価値を持つアートへと生まれ変わる。そこには港町ならではの環境へのメッセージや、海との共生への想いが込められています。

また、近くには小さな「宇野コチヌ」も設置されており、大きなチヌと並ぶ姿はどこか愛らしく、宇野港の人気フォトスポットとなっています。
余談ですが…コチヌは口からお尻にかけて、滑り台になっております。大人になって、滑り台を滑る経験はなかなか希少かと思うので、もしよろしければぜひ滑ってみてください。表からは見ることができないコチヌの姿も発見できるはずです。
島々の現代アートを巡る前に、まずは宇野港のシンボルに会いに行ってみてはいかがでしょうか。
終点の先へ 小沢敦志

Photo: Keizo Kioku
宇野のアート作品の中でも、この土地ならではの意味を持つのが「終点の先へ」です。
JR宇野線の終着駅である宇野駅。本来ならば旅の終わりを意味する「終点」ですが、宇野ではそこから船に乗り換え、さらに島々へと旅が続いていきます。
「終点の先へ」というタイトルは、列車の終着駅でありながら、その先に島々への旅が続く宇野という場所とどこか重なって見えます。
さらに、終わりの先に新たな出会いがあることや、旅が次のステージへ続いていくことへの期待が込められているようにも感じられます。
列車から降りた人々が港へ向かい、船に乗り込み、再び新たな旅へ出発する――。まるで宇野のまち全体が、この作品と一体になっているかのようです。
直島や豊島へ向かう前にこの作品を眺めると、「アートの島々への入り口」としての宇野の役割をより深く感じられることでしょう。
人気の一癖ホテルで新感覚体験を

アートや港町散策を楽しんだ後は、宇野ならではの個性的な宿に泊まってみてはいかがでしょうか。
宇野エリアでひときわ存在感を放つのが、KEIRIN HOTEL 10です。
その最大の特徴は、全国でも珍しい「競輪場一体型ホテル」であること。ホテルの目の前には玉野競輪場が広がり、客室や共用スペースからレースの雰囲気を感じることができます。

競輪と聞くと敷居が高いイメージを持つ方もいるかもしれません。しかしKEIRIN HOTEL 10は、競輪ファンだけでなく観光客も楽しめるスタイリッシュなデザインが魅力です。
館内は洗練されたインテリアで統一されており、競輪の要素を取り入れながらも落ち着いた空間が広がっています。一般的なビジネスホテルとは異なる遊び心が随所に散りばめられ、「泊まること自体が旅の思い出になる」工夫が施されています。

また、レストランでは瀬戸内の食材を活かした料理を楽しめるほか、ホテル周辺からは穏やかな瀬戸内海の景色も望めます。日中はアートや島巡りを満喫し、夜は個性的なホテルでゆっくりと過ごす。そんな贅沢な旅も宇野ならではの楽しみ方です。


各島々へのアクセス情報
宇野港からは、瀬戸内を代表するアートの島々へ向かう船が発着しています。
宇野を拠点とすることで、複数の島を効率よくめぐることができるためおすすめです。
直島
宇野港から最もアクセスしやすいのが直島です。
所要時間:フェリーで20分、小型旅客船で15分
豊島
家浦港・唐櫃港へ向かう船が運航されています。
所要時間:家浦港 25分/唐櫃港 40分
犬島
直島経由で、およそ1時間で到着します。
アートの玄関口宇野を満喫しよう!
宇野は、直島や豊島、犬島へ向かうための単なる通過地点ではありません。
海辺を歩けば瀬戸内らしい穏やかな風景に出会い、港周辺を散策すればアート作品が迎えてくれます。そして少し足を延ばせば、個性的なホテルや飲食店で旅の時間を楽しむこともできます。
アートの島々への期待を高めてくれる場所でありながら、それ自体が魅力的な観光地でもある宇野。
次に瀬戸内アート旅を計画する際は、ぜひ船の出発時間ぎりぎりに訪れるのではなく、少し余裕を持って宇野のまちを歩いてみてください。 きっとそこには、島々とはまた違った瀬戸内の魅力が待っています。